Ten Years of Bryceland's

長い時の流れにおいて、10年という歳月は決して長いものではありません。それはほんの一瞬のまたたきであり、年を追うごとに加速していく時間の渦の中にあっては、呼吸の合間のほんのひと休みに思えることさえあります。しかし、私たちにとってのこの10年は、すべての土台となる極めて重要な歳月でした。
10年前、ケンジと私は、神宮前の静かな路地裏——裏原宿や表参道へと続く静かなバックストリートに、Bryceland'sの最初の店舗を構えました。私たち自身のため、そして私たちと同じようにこうした世界観を愛してくれるすべての人のためのブランドを作りたい、という思いがありました。私とケンジ、そして私たちの活動に共感してくれる皆様のためのブランドです。私たちが好むフィッティングで、丁寧に仕立てられ、時を重ねるごとに味わいを増していくような衣服を作りたいと考えました。シーズンごとに目まぐるしく変化するトレンドで皆様を翻弄したくはなかったのです。私たちが目指したのは、完璧なワードローブを、一着ずつ、重ねるように、そして一年ずつ築き上げていくことでした。この10年間、香港やロンドンでの店舗展開、そして同じ志を持つ人々とのコミュニティとの繋がりを通じて、私たちは一歩ずつ、手探りで歩みを進めながら、それを実践し続けてきました。
この10年間、私たちは喧騒の中に静寂の瞬間を、あるいは普遍性を感じられるものを探し求めてきました。
美しく考え抜かれたディテールは、たとえ一瞬であっても、世界の混沌に秩序をもたらしてくれます。部屋の片隅に佇む静かなディスプレイ、完璧な上襟の仕立て、何度も折り曲げられ磨き上げられ、また折り曲げられて磨かれるレザー。十分な息遣いを持って奏でられる音符。そうした小さなものごとこそが、鐘の音のように心に響き、私たちを別の場所へと誘い、揺れ動く世界の中で確かな足場を与えてくれるのです。
The 10133
10周年という節目を迎えるにあたり、私たちは最も新しいデニムのカットを限定生産し、私たちのワードローブへと迎え入れます。
1930年代から40年代のワークウェアにインスピレーションを得た「10133」モデルは、深めのハイウエスト仕様で、オーバーオールやボイラースーツを彷彿とさせるワイドなレッグラインが特徴です。底が広く丸みを帯びたポケットとシンチバックを備えたこのモデルは、まさに実用的なダンガリーそのもの。工場や畑、あるいは森の中にも美しく溶け込む、ワイドレッグ・ワークウェアへのオマージュを込めた一着です。




Numbered of 133
わずか133本のみシリアルナンバー入りで限定生産され、岡山産の凹凸感のあるスラブ「55年モデル」のデニムで仕立てられたこの特別なランは、デニムを作り続けた10年間のささやかな祝福であり、Bryceland'sを発見し、共に歩んでくださったこの10年へのオマージュです。


