ラウンジ・ローブ・スーツというアイデアが生まれたのは、国際電話の会話の中でした。世界的なコロナロックダウンが始まった初期、イーサンと私は、自分たちの変化する装いの習慣や、溜まっていくフラストレーションについて語り合っていたのです。
自宅に縛られ、自由に旅もできない状況の中で、それでも「もっと良い日々」を夢見るような服――実用性とエレガンス、シンプルさと華やかさ、リラックスとフォーマル。その両立をどうにかして形にできないかと考えました。当時、私はメンズのホームウェア史を調べて記事を書いていたこともあり、豪奢なローブやパジャマの歴史的写真を、イブニングウェアの精神に重ね合わせる発想に惹かれました。もともとタキシードが「自宅での社交のための簡略化された服装」として生まれたように。

私たちは、Fox Brothers & Co のクラシックな370gブラックフランネルを用い、着想を形にしました。キモノのようなラップを持つショートローブに、グログランのフェイシングをあしらったゆったりとしたショールカラー。合わせるパンツは同じフランネルで仕立て、セルフファブリックのドローストリング、ボタンフライ、そしてアウトシームにグログランのストライプを施しました。自宅でくつろげるほどリラックスしながらも、ブラックタイの威厳を保つ――そんな一着です。
この贅沢なセットを、上記仕様やその他のラグジュアリークロスで、メイド・トゥ・オーダーにてご提供できることを誇りに思います。

Photo Credits: Jamie Ferguson